パワポの文字を削るコツ
- Miyu Hosokawa

- 6月7日
- 読了時間: 4分
更新日:8月11日

「このスライド、伝えたいことが多すぎて結局何も伝わらなかった」
そんな経験はありませんか?
多くのビジネスパーソンがパワーポイントで資料を作る際、「とにかく情報を盛り込みすぎる」傾向があります。
その結果、スライドは文字でぎっしり埋め尽くされ、読み手には要点が伝わらないなんてことに……。
では、どこまで情報を削ぎ落とせば、伝わる資料になるのでしょうか?
本記事では、情報削減の適正ラインと考え方のポイントについて、国内外の資料文化の違いも交えながら解説します。
「伝える」と「詰め込む」は違う

よくある誤解の一つが、「情報が多い=説得力がある」という思い込みです。
しかし、資料の本質的な役割は「読み手の理解と行動を導くこと」であり、情報量そのものではありません。
特に営業資料やプレゼンテーション資料の場合、見る側は忙しく、集中して読んでもらえる時間は限られています。
文字が多ければ多いほど、「読む気を失わせる」リスクが高まります。
外商なら読まずに、ゴミ箱に捨てます。
考えてみてください。
明日、商談する相手はその道の専門家ではありません。
「説得力がある」と思い込んでいるその情報は、受け手にとってど〜〜〜〜でも良い!
日本と海外のパワポ文化の違い

日本の資料文化は、“読み物”として完結するパワポが主流です。
稟議資料、社内報告、企画書など、パワポにびっしりと文章を書き込み、口頭説明なしでも理解できるように設計されます。
一方、欧米ではパワポはプレゼンテーションの補助ツールです。スライド1枚に込める情報は、タイトルとキーワード、図や写真などに絞られ、説明は“話す”ことで補完されます。
この違いを理解することで、「情報をどこまで削るか」の判断基準が見えてきます。
「いやいや…ここは日本だから…」という反論が飛んできそうですが、だから世界で取り残されたんだと釘を指しておきます。
どれくらい削減すればよいのか?

「1スライドに1つのメッセージ」。これは海外では常識で、日本でも徐々に浸透してきた考え方です。
たとえば、下記のような構造です:
• スライドタイトル:提案の要点(=見出し)
• ビジュアル要素:グラフ・図解・写真など
• テキスト:20〜40文字程度の補足文
このように1枚に詰め込む情報量を2割〜3割まで削減することで、視覚的なインパクトや理解度が格段に高まります。
「残す情報」の選び方

単純に文字数を減らすだけでは不十分です。大切なのは、「何を削るか」ではなく「何を残すか」。
以下の3つの観点で情報を取捨選択してみましょう。
1. ゴールに直接関係するか?
提案資料であれば、「相手が納得し、次のアクションに進む」ことがゴールです。
その目的に関係しない情報は、すべてカットして構いません。
2. 読み手にとって新しいか?
資料に盛り込む情報は、「相手がまだ知らない事実・視点」に絞ることで、価値が生まれます。
常識や前提の繰り返しは、むしろノイズになります。
3. 口頭説明で補えるか?
「読ませる資料」と「話す資料」を分けて考えましょう。
補足情報は話しながら説明することを前提にすれば、スライドには必要最小限でOKです。
情報を削減することで得られる3つの効果

① 読み手の負担が減る
余白が多く、視線の流れもシンプルになり、内容が頭に残りやすくなります。
② メッセージが際立つ
情報量が少ないからこそ、スライドごとの「言いたいこと」が浮かび上がります。
③ デザインがしやすくなる
視覚的な整理がしやすくなり、クオリティの高いデザインに仕上がりやすくなります。
ブランディングと“情報削減”の関係

ブランドとは、「相手の記憶に残る価値」です。
そのためには、伝える情報を絞り込み、確実に印象づける必要があります。
特に、資料を通じて顧客との信頼構築を図りたいと考える場合、情報の多さよりも、「伝わること・記憶に残ること」を重視しましょう。
「情報量=価値」ではなく、「選び抜かれた情報=ブランドの質」です。
思い返してみてください。Apple製品を。
あのロゴを。デバイスのデザインを。外箱を。紙袋を。
無駄がなくてシンプルだと思いませんか?
まとめ

自身の営業資料を見て、「文章がびっちりしているな〜」と感じたら、ぜひ情報を削りましょう!
• パワポの情報は3割〜8割削減してちょうど良い
• 1枚のスライドにつき、1つのメッセージだけ
• ゴール・新規性・説明可能性の3軸で情報を精査
• 資料は、「記憶に残る引き算」が鍵
「伝える力」は、引き算の力です。
資料の情報を“減らす”ことは、あなたの伝えたい想いを“強くする”ことにつながります。
逆に情報量が多ければ多いほど、伝わりません。
とにかく1スライドにつき1メッセージ、ゴールに直結するかどうかを基準に、リデザインしてみましょう!



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