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パワポの「文字を減らす」理由

  • 執筆者の写真: Miyu Hosokawa
    Miyu Hosokawa
  • 6月7日
  • 読了時間: 4分

更新日:7月24日

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プレゼン資料や営業資料を作るとき、あなたは「どこまで情報を削るべきか」に悩んだことはありませんか?

特にグローバルにビジネスを展開する企業や、多様な文化背景を持つ相手に資料を見せる場面では、「情報の多さ」=「誤解の多さ」につながることがあります。


実際に私も古英語を読んでいた時、10行もの間ピリオドがなくて全く逆の意味で誤訳したことがあります。


つまり、情報が多ければ多いほど「伝わらない」のです。


今回はグルーバル社会で活躍するためには、とにかく情報量を削減する理由について解説します。



グローバル社会とは、「多様性が前提の社会」

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グローバル社会とは、「多様性が前提の社会」のことです。


近年では海外進出・海外展開が叫ばれています。

しかし、海外に出るということは、「多様性が前提の社会」に進出すること。


異なる文化・言語・価値観を持った人たちと、共通の土俵で仕事をしなければなりません。


つまり、営業資料やプレゼン資料も「自分がわかるように作る」のではなく、

「誰が見てもわかる」ようにデザインする必要があります。


この「誰でも理解できる」秘訣こそが、「情報の引き算」です。



多国籍社会では「伝わらない前提」が出発点

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たとえば、あなたがビジネスの提案資料を英語で作成し、アメリカやシンガポール、ドイツ、インドなどの担当者に営業するとしましょう。


それぞれの国における理解力やリテラシー、文化的な背景はまったく異なります。


英語を母語としない人もいますよね。私たちはアメリカ英語を勉強していますが、相手が学んだのはイギリス英語かもしれません。

また、長文読解が得意でない可能性もあります。


このような環境では、「一文で伝わらないことは、どれだけ説明しても伝わらない」のが現実です。逆の意味で理解されたら最悪です。


そのため、「理解してもらうためには、シンプルにする」必要があります。



なぜ「話せても読めない」のか?

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近年では、国や性別、年齢関係なく「母国語を話せても、読めない・論理的に理解できない」人が増加しています。


例えば、英語を話せても英語の論文は読めない。

日本語を話せても、日本語の論文が読めないということです。


実際に、日本で読解力調査をしたところ、約60%のビジネスマンが正しく文意を読めていないという統計があります。

アメリカでも母国語で英語論文が読めない学生の増加が問題視されています。


その背景には以下のような事情があります:


・ SNS・動画文化による長文離れ

・ 英語教育のやり方は、世界共通ではない

・ 「読む」「聞く」「話す」のは異なるスキル


「分かりやすい」は、国籍・文化を超える

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こうした背景の中で、“誰でも理解できるパワポ”を目指すには、情報を削ぎ落とし、構造をシンプにすることが重要です。


Webデザインと同じく、資料にも“UX(体験)”が求められます


最近では、資料設計にも「UX(ユーザー体験)」の概念が持ち込まれるようになってきました。

誰がどこで見るのか、どんな文脈で使われるのかによって、「伝え方」も設計し直す必要があるのです。


例えば:

• スマホで見る → 文字が多すぎると読めない

• オンライン会議 → 話を聞きながらスライドを読むのは困難

• 翻訳前提 → シンプルな英語の方が機械翻訳精度も高い


つまり、資料デザインもWebやアプリと同じで、「使いやすさ」が成果に直結する時代になったのです。



情報を減らすことで、ブランド力が高まる

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「伝わる」資料は、「印象に残る」効果もあります。


情報を削ぎ落とし、明快なメッセージだけを残した資料は:


• 企業の姿勢(シンプル・明確)

• 担当者の思考力(構造的・戦略的)


を印象づけることができます。


これはまさに、ブランディングの一環です。



まとめ

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異なる文化・言語・価値観を持った人たちへ、自社の製品やサービスを売り込むということは、どれだけシンプルに伝えられるのか?が鍵となります。


異文化・多言語対応には「シンプルな構成」が不可欠です。


そのためには、「 1スライドにつき1メッセージ」とビジュアルで印象付けることが絶対となります。

そして、このように情報を削減したシンプルな資料はUX(体験)を高め、ブランド価値も向上します。


「情報が多い方が安心」と思うのは、日本的な発想です。

これからの時代は、“どれだけ削ったか”が、どれだけ伝えたかを決めるのです。

 
 
 

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