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流行に乗るマーケティングの注意点

  • 執筆者の写真: Miyu Hosokawa
    Miyu Hosokawa
  • 10月24日
  • 読了時間: 9分

更新日:10月25日

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いつでもどこでもハンニバル〜


な、ブランディングコンサルの細川です。

ありがたいことに紹介でご依頼をいただき、早nカ月。


「マーケティング会社に頼んだんだけど」「資金調達が得意な会社に依頼したんだけど」

「300万円赤字だったんだよね……」


と相談されるケースが少なくありません。

営業資料を拝見すると、もっと早く相談して?!?!と思うことばかり。


ではなぜ、彼らは失敗したのか?

それは、流行に対する解像度が低すぎるからです。



流行だからと言って売れるわけではない

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マーケティングの落とし穴:その1。


何らかの事業に新規参入する会社の多くが、「流行っているかどうか」を軸に考えています。

「流行っていて、他社より良い製品を取り扱っているので売れるだろう」という思考です。


残念ですが、売れません。

流行りに便乗すれば買ってくれるほど、消費者の目は甘くありません。


事実、流行りの製品は市場ニーズがあるので売る難易度が大なり小なり下がります。


しかし、いわゆる「流行り」がどんな種類の流行りなのかを押さえておかねばなりません。



流行には2つのタイプがある

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マーケティングの落とし穴:その2


流行には2つのタイプがあります。


1つ目が短期的な流行のファッド。

2つ目が長期的な流行のファッションです。


えっ?そうなの?!と思ったそこのあなたは、己の無知を懺悔してください。



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①短期的な流行のファッド


ファッドな流行とは、流行語大賞やバズった、旬の〇〇を指します。

突発的に売れる可能性はありますが、長続きしません。


SNS運用会社に依頼するとき、「弊社はバズが得意です」と発言している場合は気をつけましょう。

バズが長期間にわたってなん度も続く場合は問題ありませんが、商材によっては「一発屋で問い合わせがない」なんてことになりかねません。


何度も繰り返し、消費者の目に触れるからこそ意味があります。

良いですか、バズは魔法の杖ではありませんからね。



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②長期的な流行のファッション


ファッションは服のことだろwwwと思った、そこのあなたは懺悔してください。

ファッションな流行とは、一昔前のスマートフォンや仮想通貨、SDGsやポリコレのことなどを指します。


ファッションな流行は長期間流行ることで、文化的に定着するようになります。

例えば、ジョブズが2007年に「iPhone」を発表し、2010年頃から普及するようになった一連の流れがファッションに当たります。



あなたの言う流行が「ファッド」なのか、「ファッション」なのかを理解せずに参入すると、大赤字になりかねません。


特に「流行り」の産業でフランチャイズ加盟を検討している会社様もファッドなのかファッションなのか、よく見極めましょう。


とはいえ、ファッションな流行だからといって、これまた売れるわけではありません。

次に市場の成熟度を検討する必要があります。



流行の五段階:イノベーター理論

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マーケティングの落とし穴:その3


流行の段階によって、市場の成熟度が異なります。

すなわち、消費者の理解度です。


オックスフォード大学のロジャーズ大先生曰く、流行ってから普及するまでに5つの段階があると言い、これを「イノベーター理論」と呼びます。


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第一段階:イノベーター(革新者):2.5%


革新者は、新しいものを積極的に採用する層です。

高くてもお金を払ってくれる人たちで、例えば投資家がここに該当します。


ジョブズがiPhoneを発表してすぐにiPhoneを購入した人たちもこの層に該当するでしょう。



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第二段階:アーリーアダプター(初期採用者):13.5%


世間の業界トレンドに敏感で、流行りそうなものにお金を払う層です。インフルエンサーや、業界のオピニオンリーダーになることが多いです。


例えば、YouTubeでガジェット系の発信や、白物家電の比較をしている人たちがアーリーアダプターになりやすい層といえるでしょう。


革新者と初期採用者は、展示会やweb、書籍から積極的に情報を収集する層です。

彼らは新しいことに価値を感じる人たちなので、もし「新しい技術」を販売するならば積極的に展示会に出たり、webコンテンツを蓄積して電子書籍出版したりするのがおすすめです。



成功の秘訣は革新者と初期採用者市場


ロジャーズ曰く、革新者と初期採用者を含めた16%を取り込めるかどうかが、成功の分岐点になると言っています。

しかし、16%の層を取り込めたとしても、大きな壁が立ちはだかっています。


すなわち、市場に普及するかどうかです。


これを「キャズム(大きな溝)」と呼びます。


基本的に、消費者は「新しくて確信的だから」「なんか流行っているから」と言って買ってくれるほど甘くありません。

スマートフォンですら、iPhoneが発表されて国民の5割に普及するまで、8年もの歳月をかけています!

キャズムをどうやってクリアするかについては、別途記事を書きたいと思います。



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第三段階:アーリーマジョリティ(前期追随者):34%


情報感度が高いものの、購入には慎重な層です。初期採用者であるアーリーアダプターの攻略が必要なのと、導入する合理性を説明する必要があります。



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第四段階:レイトマジョリティ(後期追随者):34%


新しい技術に積極的ではない層です。多くのユーザーが使っているよね、という段階にならないと採用しません。

普及率を高める必要があります。


日本で、スマートフォンが普及し始めたのは2010年ごろ。

私の高校入学は2012年で、当時はクラスの半分がスマホで、残りがガラケーでした。


スマホが普及し始めた頃、「ガラケーに比べて10倍以上の回線が必要になる」などの理由から「ぜってースマホ買わんwww」と言っていた人たちがいました。

けれども、その大半が3年以内にスマホに買い替えていたという!


なんだかんだスマホに買い替えていた層がアーリーマジョリティの前期追随者。

少し遅れて買い替えた人たちがレイトマジョリティです。



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第五段階:ラガード(遅滞者):16%


遅滞者は最も保守的な層で、文化的レベルにならないと採用しません!

世間の定番になっていることを強調し、安心感を伝える必要があります。


例えば、2025年時点でガラケーを使っている人の割合は約10%前後と考えられています。


ガラケーの魅力はわかりますが、「ガラケーの方が使い慣れているし、スマホに機種変するメリットは特にないんだよな……」という人たちが遅滞者になるでしょう。


正直、遅滞者にまで普及させるのは非常に難しいです。

ニッチ戦略で「遅滞者に訴求しよう!ブルーオーシャンだから!」は軽率としか言いようがありません



マーケティングは流行りの段階によって、最適解が変わる

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どんな商材を、どの性別に訴求するのか、どの年代に訴求するのかに訴求するかによって、最適なマーケティング方法は異なります。


ただ、流行っているからといって「5つの段階のすべての人が、同じ理解度」とは限りません。


各段階で市場の理解度や成熟度が異なりますので、適したコンテンツ発信を行う必要があります。

けれども各マーケティング会社は「絶対、売れますよ!」と言います。


そんなに甘くないと言いたい。


確かに各社はそれぞれノウハウがあるし、成功事例もあります。

だから再現性があります。


しかし、「10代で当たり前のもの」を「50代に訴求するならば」、異なるアプローチが必要です。

方や、素人のプログラミング教室と、専門家のプログラミング研修も全く違うのと同様です。


流行の段階、どの層に訴求したいのか、そして訴求したい人たちの理解度・成熟度がどの程度なのかを冷静に判断しましょう。


これを見誤ると、「本当はSEO集客が最適解だったのに、TikTokでなんとなく運用して反響がなかった!」ということになりかねません。


そして、TikTokの運用会社はTikTok専門なので、SEOに軌道修正するなんて発想はありません。


「テストマーケティングの結果、効果がなかったので50代の訴求から、40代に変更してみましょう」と言うのが関の山です。



最後は予算と自社のITリテラシーと相談する

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色んな会社から話を聞くのは確かに大切なことです。

ただ、「1億円売り上げた成果があるから、うちでどうですか?」という甘言にはご注意ください。


他社の事例だったり、そもそも全く同じ予算で施策を行うわけではないからです。


実際に、全くITリテラシーのない会社が、クラウドファンティングで資金調達をしようとしました。

類似製品で1億円資金調達した事例があり、「できますよ!」という言葉を信じてCF制作費55万円(成果報酬なし)で契約してしまいました。


結果、支援額は3万円強。


大失敗中の大失敗です。


なんとか投資家からお金を調達したのでことなきを得ましたが、できなかった場合は初回仕入れもできず、初年度の売り上げ目標も達成できず、事業が始まる前に頓挫するところでした。


なぜ、失敗したのか?

その会社にITリテラシーがないので青田狩に遭ったこと、そしてマーケティングの概念がなかったからです。


確かに成功事例があるのは大切なことですが、それはどんなマーケティングをしたのかを分析しなければなりません。そこと同じ予算、全く同じ手法を取っても、同じくらいの成果にはならないでしょう。


各マーケティング会社は「自分たちが最適解」だと考えているので、彼らの戦略を提案してくれますが、実際問題それを自社ができるかどうかも別問題です。


エクセルすらやっとな会社が、HP運用する基礎体力がないのと同じことです。



まとめ

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「流行り」に便乗してフランチャイズ加盟しようとしたり、「1億円の実績があります!」と営業してくるマーケティング会社と契約する前に、ちょっと待て!


あなたが言う流行は、短期的な流行のファッドと、長期的な流行のファッションのどちらかですか?

そして市場の成熟度は5つの段階のうち、どこですか?


契約書を締結して入金する前に、1週間くらい立ち止まって考えてみましょう。

市場の成熟度と消費者の理解度によって、最適なマーケティング戦略は異なります。


そして、自社のITリテラシーと相談してみてください。

エクセルを使うのがやっとな状態で、提案されているマーケティングが最適とは言い切れません。丸投げできる!と言ってるから、も要注意です。


BYRSAMでは、市場成熟度や消費者動向などあらゆる観点から分析し、御社の予算とリテラシーレベルに応じて最適なマーケティングを立案しております。


もし、「マーケティング会社と契約しているんだけど、思うように成果が出ないし、担当者の改善案がイマイチ」と悩みを抱えている方は気軽にご相談ください。


初回60分無料でご相談に乗っています。



 
 
 

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