#08チュニジア旅行記:132kmの水道橋を見に行く
- Miyu Hosokawa

- 2025年11月16日
- 読了時間: 4分

ニワトリの鳴き声に飛び起きた2日目。
朝やん?!
今回はJCI世界大会のためにチュニスに来たわたし。
意識高くローマから凱旋しようと思ったところ、なんとフライトが欠航。
肝心のイベントには出られず、あれ?観光しに来たんだっけ?と2日目の朝を迎えました。

旅行はいつもノープラン
チュニジアのホテルは価格帯問わず、大体朝ごはんが出ます。
Hostel El Medinaで旬の柘榴を食べながら何しようかな〜〜と考える。
正直、チュニス近郊の観光地は行き着くした。
かといって、また同じ場所に行くのか?
それも一興。しかし今回の滞在はたったの1週間。
普段とはワケが違う。
時間を無駄にできない。
今まで行ったことのないローマの遺跡はあるか?
そういえば、香水の産地で古代ローマ時代最長の水道橋・ザグーアンは見たことないな。
これを見ずして、カルタゴ市民は名乗れねえ。
というわけで、「ま、ルアージュ乗り場に行けばなんとかなるっしょ」の気持ちで、132kmの水道橋見に行くぞ!!!!

そして通り過ぎた
サクッと相乗りタクシーのルアージュに乗り、郊外の景色を楽しむ。
ザグーアンはチュニスから20kmらしい。
そろそろでは?とマップを確認する。
すると、ちょ〜〜〜〜〜〜ど通り過ぎた!!!!
まじか〜〜〜と思い、清々しくザグーアンの水道橋を拝むことなく「ザグーアンの街」に行くのでした。

標高1200mの街
風光明媚で古来から保養地としても活用されていたザグーアン。
そもそもなぜ「ザグーアンの水道橋」のくせして、水道橋から車で30分くらい先に街があるのか?
疑問でした。
そしてとても小さな街なのに、やたら評価が多い「水の神殿」なる古代ローマの遺跡。
もしかしたら、ザグーアンの水道橋やその他ローマの遺跡観光のツアーで立ち寄る街なのかもしれません。
しっかし標高1200mの街なだけあって、寒いな〜〜〜〜!
寒いよ〜〜〜〜〜〜!
メディナを楽しみながら、「水の神殿」へ向かいます。

ザグーアンは古来から神聖な山だった
どうやらザグーアンの水道橋の起点になったのが、この「ザグーアン」という街。
本当に小さなまちで、旧市街地もコンパクトで可愛く歩きやすい。
記録によると少なからず紀元前3世紀には集落として成立していたらしく、山を中心とした独自の信仰が築かれていました。
ザグーアンは水源豊富な山で、132kmの水道橋もチュニジアで最も有名な「アントニヌスの浴場」に水を安定供給するために敷設されたそうです。
微妙な勾配を利用して水が供給される仕組みで、これを設計した人に感服。
すごい!
なんか、カルタゴの都市開発を命じられた都市開発コンサル的なローマ人の話で漫画描けそう!
そして、「水の神殿」なる場所はローマ帝国時代にこの山のニンフ(妖精)たちに捧げられたものでした。
神殿の大部分は現存していませんが、それでもやはり行く価値がありましょう。
ザグーアンの丘陵を眺めながら、気ままに歩きます。
いいなーいいなー、にーんげんっていーいーなーーーーー♪

水の神殿
今年は古代ギリシア・ローマ人の死生観について調べていた私。
ちょっとだけ、見識がある。
古代ギリシア・ローマ人たちは、死者の国は地下にあると信じていました。
これはメソポタミアでも同様です。
当然、エジプトやメソポタミアの影響を受け、カルタゴ人たちの母体になった神話「ウガリット神話」でも同じことが言えます。
ザグーアンは聖なる山。独自の信仰があった場所。
ローマ人にとっての公衆浴場は、娯楽・社交場の他に、穢れを清める宗教的な場所。
すなわち、聖なる山から供給される水でその身を清める。
さらに、話が変わりますが「ドラゴンの起源」について調べた際に面白い研究がありました。
「ドラゴンが生息しているのは洞窟で、古来からあの世とこの世の教会として考えられていた」
古代ギリシア・ローマでも近い考えで、洞窟や水源はあの世とこの世の境目であり、生命の源でもありました。
カルタゴは紀元前146年に滅ぼされて以来、ローマ人にとっては呪われた地です。
そこに高さ30mもある巨大な公衆浴場を建て、しかもザグーアンから水を供給したのは何か理由がありそう。
仮説でしかありませんが、「清める」または「上塗りする」意味合いがありそうな気がします。
確かにカルタゴは貿易の要所で、ザグーアンは大量の水を供給できる場所です。
一方でローマ帝国初期に、あらゆる手段を使って「ローマ人の支配は正当である」と文学的に喧伝した側面があり、カルタゴもローマ人の建国神話の中に組み込まれました。
何かありそうだぞ…ヒヒッ
というわけで、ご飯を食べながら調べよう!
お腹すいた!!!!
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