図1プレゼンの構成をショートドラマで考える
- Miyu Hosokawa

- 11月18日
- 読了時間: 6分
更新日:6 日前

いつでも〜、どこでも〜
ハンニバルゥ!
Facebookで片腕を失くした令嬢のドラマ広告が気になって、うっかり課金してしまった細川です。
1話100秒で、合計64話。
次の話が気になるように作り込まれていて、心底脱帽しました。
今回のテーマはプレゼンの構成をショートドラマで考えるです。
プレゼンもドラマと同じ
私は元々漫画風動画とWebtoonの仕上げとネームを合計60話強担当していました。
また編集側の経験を活かして、プレゼン作りをしています。
BNIで感じるのは、ファーストインパクトが雑。
特に年に1回か2回しかないメインプレゼンが雑。実績があれば関係ない?
それはとんでもない機会損失です。
実績あっても、別にあなたのこと興味ないから!
細川さん辛辣すぎませんかって?
それはそうさ。漫画も含め、映画やドラマ、CMなどのあらゆる映像コンテンツが、「興味ない人に興味を持たせる」ことにどれだけ心血注いでるんだって話です。
漫画もドラマも映画も投機
漫画の場合、1冊あたり500万円くらい投じて1冊の作品を作ります。
制作段階では、売れるかどうか分かりません。
映画の場合、日本だと予算をかけて1億円だと言われています。フランスの小規模予算で1億円です。
当然、撮影に莫大な時間と人材が必要ですが、これも売れるかどうか分かりません。
なので企画段階で「売れるかどうか分からないけど、売るための設計」をします。
そして、売れ行きを左右するのはファーストインプレッション。
最初の3分3秒3行3ページ。
もっと言えば、最初の1秒。
ここに最も心血を注ぐわけです。
しかし、BNIの方はここが雑。
オーダースーツを作る。ボイトレも受ける。
なぜプレゼンは手を抜く?
プレゼンの構成をショートドラマで考える
今回参考にしたいショートドラマはこちら。『灼かれた血と骨〜絶縁された令嬢〜』です。

蝶よ花よと育てられた令嬢が、ある日帰ってきた「取り違えの子供」によって失った家族、居場所や尊厳を取り戻す物語です。
非常に優れた構成だなと舌を巻いてしまったのですが、ショートドラマの脚本とドラマや映画の脚本は異なる技術で設計されます。
①100秒×64話分のクライマックスを描く
通常、ドラマや映画ではゆっくりと山あり谷ありを描いていくのですが、ショートドラマの場合は64話分の脚本を考えつつも、各話のクライマックスを必ず用意しなければなりません。
長尺の物語でありながら、各話独立したミニドラマの構造です。
脚本家は大きな伏線と、キャラクターの心理変化、主要なテーマと、どこで伏線を回収するのかを64話のなかで考え、さらに100秒で状況を瞬時に理解させ、感情を動かし、「え?続きは?」という状態を作り出す必要があります。
これを短尺でやるわけですから、考えられませんね……
②情報量を最適化する
100秒のドラマで伝えられる情報は僅かしかありません。
そのため、脚本家や監督は非常に高度な技術を用います。
すなわち、状況の説明は「話さない」。
全て映像で「語る」。
実際にプレゼンでも「話さない」けど「視覚で語る」手法を私も使います。
逆に「話す」けど「視覚では語らない」こともやります。
このようにして、受け手にどの情報をどれくらい伝えたいのかを制御しているのです。
③各話の最後には必ず課金させるための餌を置く
100秒のドラマを視聴させ、広告を見させたり課金させたりするためには「払ってでも見たい…!」という要素を組み込む必要があります。
例えば「えっ?誰このキャラ?」とか、「まって、めっちゃ確信的なこと言ってるけど、何?」みたいな感じ時。
『灼かれた血と骨〜絶縁された令嬢〜』の場合は、Facebookなどで20分強の話を無料配信して、アプリ内視聴するよう動線が組み込まれています。
主人公の片腕がないことが家族にバレたタイミングで、無料配信は終了です。
この「まって、そこで終わるの??」を全ての話に組み込むのがショートドラマの脚本。
とてつもない技術です。
それだけでなく、主人公たちの感情の緩急を各話で必ず配置し、不要な脚本は全てカットして必要な部分をしっかり描くことで「毎話毎秒が濃い」と思わせるように作品を作ります。
これがとてつもなく上手なのが、『タコピーの原罪』です。
ショートドラマの特性上、複雑な話は創れないのでとにかく「わかりやすく」します。
主人公をどん底に突き落とす時は徹底的にやるのは、脚本の鉄則。
よくショートドラマアプリに課金して他の作品を観ると「またこのパターンか……」と既視感があるのはこのためです。
徹底的に絶望させるのは『メイドインアビス』や『王様ランキング』ですね。
人間の所業ではありません(褒めてる)
ショートドラマの脚本は広告業界から生まれた
ショートドラマの脚本術は、CMから誕生しました。
CMは15秒〜30秒で受け手に興味を持たせ、行動要請するためのものです。
そのため、CMの脚本家は昔から状況を「視覚で語り」、短い尺の中で感情が動くよう極端な演出をしてきました。
これを物語化したのがショートドラマの脚本になります。
実際に2015年ごろからYouTubeで30秒から1分くらいのショート動画が流行り、「続きが気になる!」と思わせる構成が徹底的に研究されました。
そこに韓国発の縦読み漫画Webtoonで90コマ以内、すなわち通常の漫画なら8〜10P程度の尺で「続きが気になる!」と思えるように作り込む必要があります。
特に、ショートドラマ大国の中国では、2021年ごろから体系化されました。
まさに2000年頃のハリウッドのような仕組み化の時期ってやつです。
3日で脚本化する恐ろしさ
中国のショートドラマも、韓国のWebtoonも「面白い物語」の型があり、それに当て嵌めて制作されてます。
なんと1本の脚本ができるまで3日。
毎話にクライマックスを仕込み、1話100秒が絶対。
末恐ろしい技術です。
しかも3日で作り上げた脚本で、ヒット作を生み出すので心底恐ろしい……
こういった作品の何分何秒でどんな展開があったのか、最初の3秒のつかみがどうなっているのか。
これを分析することで、ある程度の勝ちパターンが分かります。
私の場合はこれをプレゼンや営業企画で応用していて、聴衆が精神離脱しそうなタイミングで漫画を挟んだりします。
ビジネスに応用するなら
どの技術が参考になるのか。
控えめに言って全部!
でも、もしすぐに実践するならば「情報の最適化」です。
相手にどの情報をどれくらいの理解度で届けたいのかは、コントロールすることができます。

例えばこのプレゼンの場合は、「ABテストの結果、Aが最適解だったが、ターゲットが異なればBが正解」でした。
「ターゲットが異なればBが正解」をビジュアル化してしまうと、それだけ記憶に残ってしまいます。
けれども、「場合によってはBが正解」はプレゼンで伝えたいことではないので、記憶に残れば残るほどノイズ。
不適切な情報です。
なので「言及して起きたいけど、そこまで重要ではない情報」は口頭に留める。
しかし伝えたいことは視覚化する。
それと全く同じやり方なのが、ショートドラマの「映像で語る」。
説明する必要があるけど、説明する尺を削る。でも、さりげなく言葉や画像で説明する。
この技術を習得してみましょう!
ちなみにこれら全ての技術を完璧に応用しているのが、アムウェイの最年少アンバサダーの山﨑巧さんです。
頑張ろう!アメリカンウェイ!
※やってないけど
次回は、『灼かれる骨と血〜絶縁された令嬢〜』で使われているマーケティングと心理学について解説したいと思います。



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